浜田 浩行 18歳で渡米。現在拠点を置くニューヨークだけでなく、各国のギャラリーに作品が展示されるなど、近年注目を集めるアーティスト。
そのアプローチはかなり独特で、彫刻やペインティングなど、さまざまな手法が用いられる。例えば、モノクロ写真とドローイングを混合したプリント作品には、彫刻から着想を得た自身の造形物を被写体に、劣化したかのようなインクの濃淡や擦れ、紙の表情と陰影、ほかのさまざまな質感まで、伝統的な銅版画に似た生々しいムードを表現として取り入れた。そして、「今という時代を生きる僕たちに何が出来るのか」「“アート”という世界共通の言語を持つ僕たちは何をすべきか」という思いをすべての作品にぶつけている。現代芸術が、音楽や文学と同じ文化的な役割を果たすという考えのもと、アートが社会構造の一部として機能する不思議さ、アメリカンドリームの空虚さ、その裏にある格差社会の残酷さ、経済軍事覇権の一端にあるアジアに置ける日本の役割など、現社会への疑問符を発火材に、人の魂を揺さぶる表現を日々追い求めている。
Details
67.5cm x 83.5 cm
printed in USA
framed in Japan